更新日:2019年10月28日 | コラム
マンションは貸すor売るどちらが儲かる?メリットとデメリットから徹底比較


マンションを購入した後に転勤が決まったケースや、親からマンションを購入したものの住む予定がないケースなどでは、貸すのと売るのとではどちらが儲かるのでしょうか。今は住むことができなくても、将来的には住む可能性があるケースもあります。マンションを貸すのと売るのではどちらが良いのか、メリットとデメリットなどをまとめました。

マンションを貸したほうがいいケース

マンションを貸したほうがいいケース

分譲マンションを貸した方が儲かるかどうかは、物件の条件によって有利・不利があり、自分の希望にもよります。分譲マンションを貸すことにはリスクも伴います。分譲マンションを売るより貸したほうが良いのは、以下の3つが当てはまるケースです。それぞれについて詳しく解説していきます。

<マンションを貸したほうがいいケース>

  • 住宅ローンが残っていない
  • 将来的には住みたい
  • 物件価値があまり下がらない

住宅ローンが残っていない

住宅ローンが残っている場合は売る方が有利であり、貸した方がいいのは住宅ローンが残っていないケースです。空室の期間には賃料収入が入りませんが、ローンの返済をはじめ、修繕積立金や管理費を自己資金で支払わなければなりません。また、住宅ローンは自分や家族が居住することを目的に不動産を購入するケースで利用できるローンです。そのため、貸す場合は住宅ローンからアパートローンへ切り替えになって金利が上がったり、優遇金利が適用されなくなったり、他行への借り換えが必要となるケースがあります。つまり、貸すことで借り入れ条件が悪くなるリスクがあるのです。金融機関に伝えずに賃貸運用した場合は、住宅ローンの残債の一括返済を求められる恐れがあるため、注意が必要です。さらに、ローンを利用して賃貸運用をしていると、マイホームを購入するための新たなローンを組みにくくなるリスクもあります。

将来的には住みたい

将来的に住みたいと考えている場合は、貸すことで家賃収入を得られるため、資産として活かすことができます。ただし、将来的に住むことを前提とする場合、期限付きで貸せるように契約形態には注意が必要です。賃貸借契約には、普通借家契約と定期借家契約があり、普通借家契約では正当な事由がない場合、更新を拒むことができません。定期借家契約であれば、期間の満了時に契約が終了し、更新はありません。たとえば、3年の契約であれば3年で退去してもらうことができます。ただし、定期借家契約の場合、相場よりも安い家賃設定でなければ借り手が見つかりにくいです。あるいは、契約期間を限定した期間限定サブリースで、不動産会社に借り上げてもらう方法もあります。ただし、期間限定サブリースが利用できるのは、立地条件のよいエリアの物件に限られ、手に入る賃料収入も相場の6~7割程度になります。

物件価値があまり下がらない

マンションの価値は、一般的に築年数の経過と共に低下していきます。築後1年で物件の価値は10%以上下がり、築35年経つと新築時の30%程度の価値になるといわれているのです。そのため、一般的なマンションは築浅のうちに売却した方が儲かる傾向にあります。一方で、立地条件がよく、空室になりにくいマンションであれば、長期的に安定した家賃収入を得られることが期待できます。また、物件の価値があまり下がっていなければ将来的に売却も考えられるので、賃貸運用するのに向いているのです。

マンションを貸すメリット

マンションを貸す

分譲マンションを貸すメリットはいくつかありますが、資産を手放さないことへの安心感と、資産運用と節税対策という2つの面から解説していきます。

資産を手放さないことへの安心感

分譲マンションを貸すことは、資産を所有している安心感があることがメリットとして挙げられます。マンションという有形の資産として手元にあることが、安心感につながります。思い入れのある物件であれば、手放したくないという想いが強いでしょう。また、貸すことで賃料収入を得て維持管理費用を確保することで、マンションにまた戻って住むという選択肢を残せるという面からもメリットといえます。

資産運用と節税対策になる

マンションを貸すことで資産運用が図れ、家賃収入を得られることも大きなメリットです。一般的に分譲マンションは、賃貸マンションとして建てられた物件よりも、内装や設備、防音の面などでのグレードが高いため、比較的高めの家賃で貸しやすいです。

また、マンションを賃貸運用すると節税対策になるケースもあります。不動産所得は家賃収入から必要経費を引いたもので、固定資産税や都市計画税、火災保険料、ローンの利息分のほか、マンションの取得費用のうち、建物部分は法定耐用年数で分割した減価償却費などが、必要経費として計上できます。不動産所得は、給与所得などのほかの所得と損益通算できるため、帳簿上赤字になると、所得税や住民税の節税対策になるのです。

たとえば、不動産所得が50万円の赤字、各種所得控除後の給与所得が400万円の人の場合でみていきます。所得が330万円を超えて695万円以下の部分に対する所得税の税率は20%のため、所得税は10万円減ります。住民税の税率が10%とすると、住民税の負担は5万円減ります。

マンションを貸すデメリット

マンションを貸すことはメリットばかりではなく、管理の手間がかかる、空室や未払いの家賃未払いのリスクがあるといったデメリットもあります。

物件管理が大変

マンションを貸すには、管理の手間がかかることがデメリットです。貸す前には、部屋の状態に応じてリフォームを行い、クリーニングをする必要があります。賃貸中は、設備が故障した場合は交換や修繕の手配を行い、入居者や近隣からのクレームが発生した際には対応しなければなりません。修繕にかかる費用はオーナーの負担ですが、築年数の経過とともに設備や内装が老朽化するため、修繕費用がかさんでいきます。

また、空室の期間は家賃収入が入らないため、入居者の募集を行う必要があり、不動産仲介会社に特別な宣伝活動を依頼する場合は、別途費用が発生することもあります。

空室や未払いなどのリスクがある

マンションを貸すと空室や家賃の未払いにより、想定していた家賃収入が得られないリスクがあります。日本は少子化による人口減少時代を迎えています。2015年の国勢調査では人口は1億2711万人で、5年前よりも94万7000 人減少しました。内閣府の将来人口推計では、2030年には1億6618万人、2050年には97076万人にまで落ち込むと予想されています。そのため、賃貸物件に入居する世代が減っていき、今後、空室のリスクが高まる可能性が考えらえます。

また、貸しているマンションで孤独死や変死が起こると告知義務があり、物件の価値が著しく低下するリスクもあります。家賃は相場の3~7割程度でしか貸せなくなることが一般的です。

マンションを売るメリット

マンションを売る提案

マンションを売ることにはいくつかのメリットがありますが、その中でも、売却代金としてまとまったお金が手に入る、ランニングコストがかからなくなるという点について解説していきます。

売却代金としてまとまったお金が得られる

マンションを売却すると、資産を現金化できることがメリットです。ローンを完済しているか、売却価格が残債を大きく上回る場合、大きなまとまったお金が得ることができます。たとえば、遺産相続の際に相続人が複数いる場合には、売却することで遺産をスムーズに分割することが可能になります。売却代金を投資を目的に収益性の高い物件の購入費用に充てたり、他の投資商品を購入したりすることもできます。

ランニングコストがかからなくなる

マンションを所有しているとランニングコストがかかるため、売却によって費用負担がなくなることもメリットに挙げられます。マンションを所有していると、毎月、管理費や修繕積立金の支払いが発生します。修繕積立金は築年数の経過とともに上がる傾向があり、設備や内装の劣化による修繕コストの負担が重くなることが多いです。また、マンションを所有していると、固定資産税、市街化区域内は都市計画税の負担もあります。

金銭面以外では、総会や持ち回りで理事になったときの理事会に出席する手間がなくなります。また、貸した場合には確定申告をしなければなりませんが、そういった手間からも解放されます。

マンションを売るデメリット

マンションを売却することで利益が出るかは予測しにくい面があります。マンションを売るデメリットのうち、主なものとして、売却のタイミングによっては損をすることや、売却には諸費用がかかることについて解説していきます。

売却のタイミングによっては損をする

マンションの売却価格は、類似物件から相場はつかめるものの、実際にいくらで売却が実現できるかはタイミングによります。タイミングによっては購入希望者が現れなかったり、希望する価格よりも低い額での購入を希望されたりすることも考えられます。売却活動を始めてみなければいくらで売れるかわからないことから、売却のタイミングによっては損をする可能性があるのです。

売却に諸費用がかかる

マンションを売却する際には、不動産会社への仲介手数料や、契約書の印紙税といった諸費用が発生します。仲介手数料は、売買契約が成立した場合に成功報酬として支払うものです。不動産会社に仲介を依頼する契約形態には3種類あります。専属専任媒介契約は、一社のみに仲介を依頼し、自力で見つけた相手方とも不動産会社を介さずに契約できないものです。専任媒介契約も一社のみに仲介を依頼する点は同じですが、自力で見つけた相手方とも不動産会社を介さずに契約できる点が異なります。一般媒介契約は、複数の不動産会社と媒介契約を結べる形態です。

所有権移転登記にかかる費用は通常は買主の負担ですが、ローンの残債がある場合は、抵当権抹消登記に関わる登録免許税や、司法書士への委託報酬が発生します。また、ローンの残債の一括返済時には、金融機関によっては繰り上げ返済手数料が必要です。

マンションを貸す場合の管理会社の選び方

マンションを貸す場合の管理会社の選び方

管理会社は、入居者の募集と契約、家賃の集金代行や入居者などからのクレームの対応などの入居管理を行っています。空室が出た場合、いかなる方法で集客して空室を埋めていくかは、管理会社にかかっているため、管理会社選びは重要です。

<管理会社選びのポイント>

  • 不動産情報サイトに多くの物件を掲載…Webで物件を探す人が多い。
  • 不動産情報サイトの掲載写真が鮮明で情報量が多い…物件の良さをアピールすることが重要。
  • 店舗のアクセスが良い…店舗数や店舗のアクセスのしやすさは集客力につながる。
  • 家賃の滞納率が低い…空室と同様に家賃の未回収は大きなリスクになる。
  • トラブルが起きたときの対応体制…対応可能時間や管理体制を確認しておく。

中古マンションを買って貸す方法

ここまで何かしらの事情から所有するマンションを貸すケースについて触れてきましたが、中古マンションを購入して貸すという方法もあります。しかし、投資目的でマンションを購入して収益を出すのは難しいものがあります。理由として、まずは利用できるローンの問題があります。投資目的でのマンションの購入の場合、住宅ローンは使えずにアパートローンになるため、利息などの面で不利となり、収益を上げにくいです。また、分譲マンションの一部屋を所有していても、投資として大きな儲けを出すのは難しいです。また、賃貸運用には手間がかかることからも、投資として収益を上げていくのは難しいといえるでしょう。

中古マンションを買って貸すメリット

中古マンションは新築マンションよりも購入価格を抑えられるため、手に入れやすいことがメリットです。購入価格が新築よりも安いことから、利回りも高くなりやすいです。一般的に築年数の経過とともに、中古マンションの価格は下落します。築10年程度の中古マンションは新築時の価格の8割程度とまだまだ高く、築11年~20年未満の物件は新築時の6~7割程度の価格が目安です。一方で、築20年を超えると新築時の4割程度の価格となるため、入手しやすくなります。築年数が経過した物件でも、立地条件が良ければ空室のリスクを抑えられ、ある程度の家賃を維持して貸すことが可能です。

中古マンションを買って貸す場合の注意点

住宅ローンは事業用のローンよりも低金利なのが魅力ですが、契約者や家族が居住することを目的とした購入にしか利用することはできません。中古マンションを購入して貸す場合に住宅ローンを利用すると、契約違反になる点に注意が必要です。

また、中古マンションを購入した後、修繕積立金が不足している物件では値上げとなるケースがあります。大規模修繕は定期的に実施する必要があり、築年数の経過とともに修繕費用がかかります。修繕積立金の積立額が十分でない、これまでに大規模修繕などのメンテナンスが適切に実施されてこなかった物件では、修繕積立金が値上げすることが考えられるのです。

構造の面では、1981年6月の建築基準法の改正によって耐震基準が大きく変わり、それ以前に建築確認が下りた物件は旧耐震と呼ばれています。現行の耐震基準を満たしていない物件が多い点に注意が必要です。

まとめ

マンションを貸す場合も売る場合も、それぞれにメリット・デメリットがあります。マンションを貸す場合は空室のリスクや家賃未払いのリスクがありますが、売る場合には想定していたような価格で売却できるか未知数です。マンションを貸すか売るか悩んだら、まずは不動産会社に相談して査定を依頼しましょう。

高級マンションの賃貸管理なら

参考

賃貸借契約を結ぶ~不動産基礎知識:借りるときに知っておきたいこと 【不動産ジャパン】

統計局ホームページ/統計Today No.106「平成27年国勢調査 -人口・世帯数(速報値)を公表-」

第1章 第1節 1 (2)将来推計人口でみる50年後の日本|平成24年版高齢社会白書(全体版) – 内閣府

元不動産屋が教える失敗しない管理会社の選び方とは? :: 全国賃貸経営補償機構

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MODERN TIMES編集部

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